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Barista Training Day「酸味とアイスコーヒーの検証」

5月のスタッフ研修では、主に「酸味の検証とカッピング」と「アイスコーヒーの検証」を行いました。
スタッフからリクエストのあった検証内容を取りまとめ、実践してみました!

まず、酸味の検証。
どのような検証だったのか?まとめたものはこちらです!

【比較した酸味成分】
①クエン酸
②酒石酸
③リンゴ酸
④酢酸

【検証方法】
・各酸味成分を浄水に溶かし、カッピング(テイスティング)を実施
・スタッフ間で味の印象を共有し、「どんなフルーツや食品に近い酸味か?」を自由に連想・コメント
・最後に、それぞれの酸味成分が実際にどんな食品に含まれているかを確認する。

【各酸味成分のコメント】
①クエン酸
レモン、グレープフルーツ、シトラス。アクエリアス。
水々しく一番香りが強く感じる。甘さがあり優しい酸質。
少しだけ舌がピリピリするような後味。アフターは短い。

②酒石酸
さくらんぼ、ぶどう、レッドグレープ、ベリー、野いちご、すもも。バラ科の果物。
ドライ感があり酸っぱい。
やや渋味や苦味も感じる。

③リンゴ酸
グァバ、青リンゴ、トマト、ストーンフルーツ、熟していないみかん。
香りが一番強い。鼻に抜ける。
喉が渇くような感じがある。

④酢酸
酢、日本のお酒。発酵された食品。
フルーティで果実感もある。

【実際の各酸味成分について】
①クエン酸
果物、野菜の中で最も一般的な酸であり、識別しやすい。
レモン、オレンジ、グレープフルーツなどに多く含まれている。

②酒石酸
塩やワインの製造過程で自然に発生したり食品調製における発酵剤として使用される。
深いマウスフィールと後味の渋味が特徴的。
ぶどうやワインに含まれている。

③リンゴ酸
青リンゴに似た味わい。
青リンゴ、ストーンフルーツ、ライム、ルバーブに多く含まれている。

④酢酸
主に酢に含まれており、刺激的な匂いと酸味を与える。
低濃度だとフルーティな風味を知覚することが可能。
砂糖と組み合わせると、ワインやシャンパンのような風味に繋がる。

 

検証では初め実際の酸味成分について知らない状態でテイスティングを行ったので、コメントが沢山挙がりました!
答え合わせをしながらスタッフ間で成分を確認したときは、「想像通りだったり意外で驚いたりだったので面白い」と話していました。
今後のカッピングや検証にも意識して活かしていけそうな検証内容です。
酸味を実際に味わう体験は初めてだったこともあり、とてもユニークで楽しい検証となりました!

酸味を実際に捉えることができたので続けて、当店のコーヒーを4種類カッピングしました。

【コロンビア ミラン カルチャリング】
ココナッツやアロエ、パイナップルやマンゴーなどのパッションフルーツ、ラムネなど沢山のフレーバーを感じ、スタッフ間でも様々なコメントが挙がりました!
他にもメロンやナタデココ、ライチ、デトックスウォーターなどの黄色や白色のフルーツや食べ物を連想するコメントが挙がり、複雑かつユニークなコーヒーであると意見が一致しました。
夏限定のドリンクでも使用されるので、どんなドリンクなのか楽しみにしていてください!

【パナマ タラマンカス ウォッシュド】
香りから甘く、ストーンフルーツ。
甘さと酸味のバランスが良く、シロップ入りの紅茶やブラウンシュガー、ほんのりとアーモンドを感じました。
冷めるにつれ、みかんやオレンジなどの酸味が現れました!

【エチオピア ベンチマジ ゲシャ ウォッシュド】
香りはフローラルで、エレガント。
はちみつやレモンティーなどエチオピアらしい華やかさが特徴的で、少しレモングラスやスパイスも感じ取れました。

【ホンジュラス パライネマ ナチュラル】
ハーブやベリー、チョコレート。
少しダークな印象も受けましたが、ボディ感があり冷めると柑橘系の酸味が現れました!

新しくスタートするコーヒーも既存のコーヒーも、改めて全員でフレーバーやクオリティなどの確認が出来て良かったです。

次に、アイスコーヒーの検証。
当店のアイスコーヒーは、最初にサーバーに氷を入れ、コーヒー粉を入れたドリッパーをセットし抽出します。
抽出を終え液体と氷を混ぜたときに泡が発生しやすいのですが、泡にネカティブな成分(渋味やえぐみなど)が付着しやすいと言われています。
どれくらい味わいが変わるのか?取り除いた方がより美味しくなるのか?実際に検証してみました!

【検証】
・使用したコーヒー:オリジナルブレンド、シングルオリジン
・湯量:150g
・粉量:15g
・湯温:92℃
・注湯:4投

①サーバーに氷3個入れ、挽いたコーヒー粉を入れたドリッパーをセットし抽出。
②抽出し終えたら、氷が溶けるまで混ぜる。
③氷5個入れたカップに、抽出し終えた液体を入れてかき混ぜて完成。

②と③の工程で発生した泡をスプーンですくって実際に味わってみたところ、全員が「え…!!?」と声を上げて驚きました。
自分達が思っていた以上に、渋味やえぐみをダイレクトに感じたのです。
その為、この泡が入っているかで味わいが大きく変わるという結果に至りました。

より美味しいコーヒーをお客様に提供していくために、
・なるべく泡立てないようにゆっくりかき混ぜる
・カップに注ぐ際はゆっくりと、バースプーンなどを使って取り除く
所作が必要であると意見が一致しました。

かなりマニアックな検証でしたが暑い季節になりアイスコーヒーのニーズが高くなる為、皆様により美味しいコーヒーを提供していくには欠かせない検証でした。

6月のスタッフ研修は、「パナマ2025ニュークロップのカッピング」と「ハンドドリップの見直しとエアロプレスの検証」を行いました!
また投稿致しますので楽しみにしていてください!

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